保健科学東日本が実施するCYP2C19検査
保健科学東日本が行っている検査の中には、薬物代謝酵素関連遺伝子に関する検査があります。
薬物代謝酵素関連遺伝子では、CYP2D6とCYP2C19について調べられるものが用意されています。
今回は、CYP2C19検査について解説していきましょう。
CYP2C19は、プロトンポンプ阻害剤や抗不安薬、抗てんかん薬などの薬物を代謝する酵素です。
この遺伝子は点変異により酵素活性が低下すると言われています。
特に、プロトンポンプ阻害剤を使用するピロリ菌の除菌治療に関しては、CYP2C19遺伝子の多型が成功率に影響を及ぼすことが明らかになっているため、重要な役割を持っていることがわかります。
日本人のおよそ20%は代謝機能が低いとされるPoor Metabolizer(PM)に分類されているため、自分自身がどうなのか知っておくことは治療を円滑に進めるためにも重要だと言えます。
そのためにも保健科学東日本のCYP2C19検査を行う意味は非常に大きいです。
CYP2C19検査の結果を把握していれば、治療の効果を向上させることにつながったり、副作用を低減できるような薬物投与量を決める時に役立ったりします。
CYP2C19で代謝できる薬も知っておいて損はありません。
代謝できる代表的な薬物は、プロトンポンプ阻害剤のオメプラゾール、抗不安薬のジアゼパム、抗てんかん薬のS-メフェニトインです。
さらに、抗うつ薬のイミプラミンや抗血小板薬のクロピドグレル(プラビックス)もCYP2C19で代謝できる薬物として挙げられます。
保健科学東日本で実施しているCYP2C19検査を受けておくと、自分に合った薬を見つけやすくなります。
医療機関側も患者様ごとに適した提案をしやすくなるので、より効果的な治療も実現しやすくなるのです。
代謝が低い人は副作用も出やすくなってしまうため、治療自体が負担だと感じてしまう可能性も高くなってしまいます。
それでは病気と闘いたいという意欲も薄れてしまう恐れがあるため、保健科学東日本のCYP2C19検査で薬物の代謝はどうなのか確認しておくメリットは大きいです。
投薬治療の方針を決める前に検査を受けておくのが特におすすめです。
疾患によって薬の選択肢が多い場合もあります。
そのような場合は保健科学東日本のCYP2C19検査を受け、遺伝子多型を確認しておくと効率的かつ効果的な治療を実現しやすくなります。
患者様の負担軽減にも役立つため、プロトンポンプ阻害剤や抗不安薬、抗てんかん薬などの使用を検討しているなら、検査も前向きに考えてみてください。