保健科学東日本の循環器疾患関連遺伝子多型検査を紹介
保健科学東日本では、一人ひとりの体質に合わせた治療や予防といった個別医療の発展に貢献すべく、最新技術を取り入れた遺伝子検査を実施しています。
医療現場より求められる検査は日々増えており、積極的な検査項目の開発に取り組んでいます。遺伝子検査を行うことで感染症や生活習慣病の予防が可能です。生活習慣病の中には近年、日本人のライフスタイルが急激に変化したことで急増している循環器系疾患も含まれており、保健科学東日本では循環器疾患関連遺伝子多型検査も受託しています。
保健科学東日本が実施する循環器疾患関連遺伝子多型検査では、本態性高血圧症、脳梗塞、心筋梗塞といった循環器疾患にかかわる4つの遺伝子(1遺伝子領域)についての遺伝子型を調べることで、疾患の発症リスクの判定を行っています。
具体的には、心筋梗塞や脳梗塞の発症リスクに関与するとされているヒトプロスタサイクリン合成酵素(PGIS)、心筋梗塞や本態性高血圧症の発症リスクに関与するとされているヒトナトリウム利尿ペプチドA型受容体(NPRA)、女性の閉経後高血圧症の発症リスクに関与するとされているヒト卵胞刺激ホルモン受容体(FSHR)、心筋梗塞や脳梗塞の発症リスクに関与するとされているSTRK1領域について、遺伝子多型であるかどうかの判定を行います。
循環器疾患関連遺伝子多型検査によって遺伝子多型と判定されれば、特定の病気に関して発症しやすさはもちろん、薬の効果や副作用の出方など、遺伝的な違いに基づく個人差を知ることが可能です。そのため、一人ひとりに合わせた個別医療への応用が期待されています。
保健科学東日本の循環器疾患関連遺伝子多型検査は、血液3mLの検体量でPGIS、NPRA、FSHR、STRK1の4つの遺伝子(1遺伝子領域)についての解析が可能です。女性にかかわるFSHRを省いた3つの遺伝子(1遺伝子領域)について検査できるセットもあります。
保健科学東日本が実施する循環器疾患関連遺伝子多型検査で注意しなければならないのが、あくまでも遺伝子型に基づく判定だという点です。生活習慣病は環境要因と遺伝要因とが影響しあって発症します。判定によるリスクが低い場合でも、食事や運動不足などの環境要因が悪化すれば発症リスクは高くなります。
検査による個人の遺伝体質の把握は、予防対策にきわめて有効です。結果を踏まえ、バランスのよい食事や適度な運動といった規則正しい生活習慣を心がけ、生活習慣病を予防しましょう。