保健科学東日本の感染症について

保健科学東日本では、感染症病原体に関する高感度迅速検査なども検査項目の対象です。
感染症では、「結核性髄膜炎Nested PCR 検査」、「ノロウイルスRNA検査」、「パルスフィールド電気泳動」、「性感染症(STD)スクリーニング検査」を受託しています。感染症は、病原体が体内に侵入して様々な症状を引き起こしますが、簡易検査では病原体が特定できない菌株も存在します。保健科学東日本は、感染症の元を特定するために必要な検査を開始しています。
結核性髄膜炎Nested PCR 検査では、感染性の髄膜炎である可能性が高いが特定する際の判断に欠ける場合や、髄液での塗抹、培養などの結果が陰性となる場合などに進められる検査です。
2005年2月に日本大学医学部 病態病理学系臨床検査医学分野教授である中山智祥医師から、技術供与を受けています。これにより、これまで髄液検体から結核菌の検出が困難とされていましたが、迅速でより高感度に結核菌DNA検出が可能となりました。その後、受託検査に適した改良を行い、保健科学東日本独自の新規検査項目となって受託されています。
ノロウイルスRNA検査では、冬季に流行しやすい食中毒や感染性胃腸炎の主な原因であるノロウイルスの検出検査です。一般的には軽症もしくは軽快ですが、免疫力の低い乳児や高齢者では重症化や死亡する例もあります。
保健科学東日本の検査により、糞便からノロウイルス菌を検出し、迅速な検査によって食中毒対策やヒト-ヒト感染の予防に役立ちます。また、病院などの院内感染のコントロールにも有効です。
パルスフィールド電気泳動では、抗菌薬耐性菌によるアウトブレイクを早期発見や察知するための検査です。病院感染の対策を行うためには、感染源調査と共に菌株の特定が求められます。
菌株を特定するためには遺伝子型の決定が必要であり、パルスフィールド電気泳動を用いることでDNA分子の変化誘発による菌の検出が可能です。病院感染へのリスク管理に、パルスフィールド電気泳動が有効です。
性感染症(STD)スクリーニング検査では、性感染症の病原体検査です。若年層で蔓延している性感染症には、迅速な治療や対応が必要であり、スクリーニングの重要性も求められます。
保健科学東日本では、性感染症の代表的なクラミジアやトリコモナス、淋病やヘルペスなど6種類の病原体を同時検出します。これまで扱われてきた培養法などの検査方法では、病原体の検出が難しいとされていましたが、遺伝子検査薬メーカーであるSeegene(シージェン)社製キットにより、病原体遺伝子の同時測定も受託できます。