保健科学東日本は血液学検査や細胞診検査など複数の検査を実施

保健科学東日本は多く臨床検査を受託していますが、そのひとつである血液学検査では、主に2種類を軸として行っています。ひとつはCBCとも呼ばれる血球数算定です。測定する際には自動血球計数器を用いて実施しますが、保健科学東日本ではSYSMEX社製のXE-2100を主に使用しています。これは1時間あたり150の検体を処理できる能力を持つ機器であり、分析することで重度の貧血や異常細胞の出現などに関する情報を得ることができます。検査翌日に情報の連絡が可能となっています。

もうひとつは血液の血小板に血栓をつくり、その後液体の状態に戻す際の反応を検査する凝固系検査です。先天性血友病A・Bを始めとした内因系、共通系の凝固因子が不足していたり異常な状況だったりしないか、複合性凝固障害がないかを疑われる際に凝固系検査が使われます。保健科学東日本では検体をバーコードで管理しており、測定や再検査などがオートメーションで進む体制です。前回の検査情報なども専用のシステムで管理しているため、提供できるデータの精度は高くなっています。

保健科学東日本が医療機関に対して提供している検査は他にも複数あり、細胞診検査もそのひとつです。細胞診検査は細胞を採取して実施する検査を指し、その細胞が悪性新生物いわゆる癌かどうかをチェックする際に必要な検査です。検体によっても結果の分類は異なります。検査としてはまず、細胞が癌であるかどうかを専門的な知識を持った細胞の検査士がデジタル顕微鏡を使って確認します。そして癌であった場合には病変の質的判定を目的とした検査に移るという2段階の検査が実施されます。検査の上で悪性腫瘍ではないかと疑う結果となった際、保健科学東日本で最終的な判断として診断名を決めるのは日本臨床細胞学会が認めた細胞診専門医です。

このように保健科学東日本では的確な知識と経験を持った検査士が対応するため、精度の高い検査結果提供が可能です。結果が偽陽性以上となった際には、結果の報告書だけではなく別途検査した際の写真も添付しているため、検査を依頼した医療機関側でも状況の確認が可能です。細胞診検査で用いられる検体は尿やたん、腹水など幅広い種類となっています。産婦人科などで検査をする際には、子宮頸部の細胞が使われることもあり、その際には癌であるかどうか以外にヘルペスといったウイルス感染がないかも検査するべき項目に含まれます。