学校や職場の安全と健康にかかわる保健科学東日本
学校や会社など大勢の人間が集まる場所では、風邪などの感染症がひとたび発生すると、あっという間に蔓延してしまいます。そしてその集団で繁殖した病原体はそこにいた人を介して別の集団に広まり、いつのまにか全国規模での流行となってしまうのです。そんな病気の流行を未然に防ぐために、保健科学東日本の検査技術が役立っています。
その一つに集団検診があります。学校や職場でお馴染みの定期健康診断は、日頃の健康管理のために非常に有効です。定期的に検診を行うことで各種疾病の早期発見ができます。子供の時には何のためにするのか分からなかった検尿や蟯虫卵検査も、子供たちの健康状態を確認するために年に1、2回は行われている大切な検査です。保健科学東日本はそれらの検診・検査で採取した尿や血液を検査しています。 また、飲食業者やスーパーのみならず、文化祭や学園祭、職場体験などのイベントで食品を取り扱う生徒や教職員などは、事前に検便検査を受けねばなりません。赤痢菌やサルモネラ菌、大腸菌などの有無を確かめるために行うその検査にも、保健科学東日本は関わっています。私たちが日々安心・安全な食品を手に入れるために、また、せっかくの楽しい行事を食中毒などで台無しにしないように、常に目を光らせてくれているのです。
学校や職場だけではなく娯楽施設においても、保健科学東日本の検査技術は役だっています。例えば、夏の行楽に欠かせないプールや、四季を通じて観光の目玉となり私たちを癒してくれる温泉、日常に癒しを提供してくれる銭湯などです。それらの娯楽を提供してくれるのは、公衆浴場や旅館、スポーツ施設ですが、その浴槽やジェットバスの水が常に清潔に保たれているのは、厚生労働省によって定められた水質基準が守られているからです。プールの水については特に、厚生労働省の衛生基準だけではなく、文部科学省の定める学校環境衛生の基準によって、水質基準が決められています。 最近では温泉施設だけではなく、エステティックサロンなどでも見かける岩盤浴ですが、密閉された岩盤のある部屋を高温多湿にして老廃物を排出させるそこは、細菌やカビにとって理想の繁殖環境でもあります。ですから安心して岩盤浴を利用するためには、清掃と消毒、殺菌を十分に行う必要があり、定期的な検査を実施する必要があります。これらの水質基準が守られているか、衛生管理は十分かを検査するのが、保健科学東日本なのです。